Why I Keep Writing About Asuka
奈良・明日香村。
私にとっては当たり前だった風景があります。
広い空。
田んぼの向こうに見える山。
季節ごとに色を変える畑やあぜ道。
子どもの頃から見てきたその景色は、あまりにも身近で、
特別なものだと思ったことはありませんでした。
ある日、東京に暮らす友人が明日香村を訪れました。
その友人が車を降りて最初に言った言葉を、今でも覚えています。
「お空が広いだけで癒される」
私は少し驚きました。
なぜなら、その空は私にとって当たり前だったから。
けれど、そのとき気づきました。
何もないと思っていた風景が、誰かにとっては特別な場所になることを。
明日香村は、日本のはじまりの地として知られています。
教科書に載る歴史があり、多くの文化財があります。
けれど私が惹かれているのは、歴史だけではありません。
田植えの終わった水田に映る空
朝霧が山の端を覆う風景
学校へ向かう子どもたち
畑で作業をする人たち
そんな何気ない日常もまた、この土地の文化なのだと思うのです。
歴史は残されやすい。
けれど、暮らしは放っておくと消えてしまう。
だから私は写真を撮り、言葉を書いています。
ASUKA JOURNALは観光ガイドではありません。
風景と人の営みを記録する、小さな記録誌です。
この場所を知る人にも。
まだ知らない人にも。
明日香村という土地の価値を、少しずつ未来へ残していけたらと思っています。

