Slowing My Pace
「あ、ヤギ。」
電車を待ちながら、思わず足を止めた。
線路のすぐ横。
草を食べるヤギたちは、私の存在なんて気にも留めず、今日も黙々と草を食べている。
ガタン、ゴトン。
電車が通り過ぎる音が響いても、少しだけ顔を上げて、また草を食べ始めた。
私は立ち止まって見ているだけなのに、
ヤギたちは、いつもと変わらない一日を過ごしている。
夏の風が吹いて、
草が揺れて、
また電車が通り過ぎる。
きっと明日も、
この景色は同じなんだろう。
私だけが慌ただしく毎日を過ごしていて、
この場所には、いつもの時間が流れていた。
帰り道、
少しだけ歩く速さをゆるめてみた。

