The Journey of Water
田んぼへ流れる水は、
多すぎても、
少なすぎても稲は育たない。
だから明日香村では、
水路のあちこちで
誰かが水門を開けたり閉めたりしている。
静かに。
当たり前のように。
田んぼに水があることを、
私はずっと当たり前だと思っていた。
でも、その当たり前は、
誰かの手によって守られていた。
少し多ければ流し、
少なければ引き入れる。
その加減を見ながら、
毎日水と向き合っている人がいる。
私たちの暮らしも、
きっと同じなんだと思う。
頑張りすぎる日があれば、
少し力を抜いた方がいい日もある。
何かを増やすだけじゃなく、
減らすことが必要な日もある。
「ちょうどいい。」
その加減は、
自分一人では気づけないことも多い。
誰かがそっと支えてくれたり、
何気ない一言で立ち止まれたり。
そうやって、
今日も少しずつ整えられているのかもしれない。
田んぼの水は、
流れ続けることで命を育てる。
私も、
立ち止まることと、
流れることを繰り返しながら、
毎日を歩いている。
そして今日も、
支えられていることを忘れずに、
私もまた、誰かをそっと支えられる人でありたいと思う。

